テルニはイタリア中部、ウンブリア州の緑豊かな自然に囲まれたテルニ県の中心都市です。プロジェクトを進めた”Gli altri siamo Noi”はテルニ県内を中心に平和、寛容、人権など、子どものための教育活動を行う団体で、当時、1998年に設立されたばかりの若者を中心とするグループでした。メンバーのひとりがベネチア・ビエンナーレでの展示を見たことをきっかけにプロジェクトへの参加を申し込み、バレリア・デラ・クローチェさんを中心に市や県などに働きかけ、小学校での実施が決まりました。植樹式までの期間、小学校ではアーティストとの協働で柿の木、平和、戦争をテーマに数多くの絵や彫刻が制作されました。
植樹式当日はそれらの作品が校内や庭に展示され、子どもたちは平和のメッセージを詩や音楽、合唱に託して披露しました。また、地元の演劇団ピノ・カンパニーによる物語の朗読、G. ブリッチャルディ音楽学校に学ぶ日本人学生オクダさん、ゴトウさん、マリさん、ノリコ・ユモトさんによる歌とピアノ演奏も行われました。翌4月1日には街の広場を起点として、植樹を祝い平和を願うパレードがスタートしました。” アルティオシーン”のストリート・パフォーマンスや” ラ・ラッチア“民族音楽団の演奏、そしてバレリア・デラ・クローチェさんたちの”Gli altri siamo Noi”による平和アピールが繰り広げられ、多くの市民が自由にパレードに参加することができました。
植樹から約2か月後の5月24日にはイベント「KAKI Festival」が行われ、ふたたび、柿の木と平和をテーマにした作品が数多く制作されました。