チェスキー・クロムロフは美しい緑と中世の町並みが残る古都で、ユネスコの世界遺産に登録されています。また、この町にはナチスに占領されたスデーデン地区の一部だったという悲しい歴史もあります。
1999年ベネチア・ビエンナーレで「被爆柿の木二世」に出会った生物学者のイヴォ・モラヴェツさんは、チェスキー・クロムロフの戦争の記憶を風化させないようにインディペンデント・カンパニー・オブ・アートの仲間と共に植樹を企画しました。
植樹に先がけて、3月4日に柿の木の贈呈式が行われました。贈呈式では、こども達の手で苗木が特製の鉢に植えられ、ワズコさん一家の弦楽四重奏のミニコンサートが行われました。
5月19日の植樹式では、最初にペドロ・スラデクさん夫妻のアトリエ前の庭で、陶芸ワークショップが行われました。6名のこども達がペドロさんの手引きにより、粘土で思い思いの作品をつくりました。またこども達の親や、地元の方々も一緒に折り紙なども行われました。その後、みんなでコンサート会場へ移動しました。コンサート会場は、貴族の古い邸宅をホテルに改築した美しい建物です。コンサートが始まる前、記念コンサートの意義、柿の木プロジェクトについての話がありました。15歳の少女によるピアノのソロ演奏に続き、ボヘミアンシティオーケストラも参加し、素晴らしいモーツァルトのピアノ演奏が行われました。この植樹式には、ドイツ在住のアーティスト、田中さんと下城さんがプロジェクト代表として参加してくれました。
その後 町が洪水にみまわれ、2002年チェスキー・クロムロフから30キロ北の町にある国際学校に移植されました。現在、柿の木は国際学校で大切に育てられています。