植樹式 サン・ピエトロ・ムッソリーノ中学校(イタリア・ビツェンツァ)

サン・ピエトロ・ムッソリーノ中学校は駅から遠く、山が近くに迫る小さな街にあります。第二次世界大戦ではこの街も破壊され、教会に立てこもった司教や人々の逸話などが伝えられています。学校のすぐ裏にある庁舎の壁には戦時中の破壊の様子を描いたモザイク画があり、教会にはその記憶をとどめるモニュメントがあります。この中学校は2000年に植樹をしたG・ウンガレッティ国立中学校の分校。植樹中心者のリビオ・フェドリゴさんは美術教師で2000年に開催されたF.P.コルデノン中学校(ベネチア・サンタマリアディサーラ)での植樹式に参加していました。

植樹式には地元の小・中学校のこども達と日本人の幼稚園生の約200人が参加しました。開会の挨拶、こども市長(女の子)による歓迎のスピーチののち、パフォーマンスが行われました。原爆の灰と黒い雨に覆われた大地から柿の木二世が蘇生するストーリーです。年長のこども達が原爆から蘇生までを演じ、最後にこども達の描いた絵が合わさって、黒い布の上に大きな木が完成します。さらに、幼稚園の小さな子はリズムをあわせてポンポンを振る中、木に扮したこどもが詩を読み、歌を歌いました。このパフォーマンスは幼稚園から中学校まで、年齢の違うこども達がそれぞれにできることを行い、一緒に合わせて規模の大きな素晴らしいパフォーマンスを作りあげていました。体育館で演奏会と地元出身の国会議員によるスピーチが行われ、校庭での植樹となりました。

市にはアルビーニと呼ばれる元兵士のボランティア自衛団があり、そのアルビーニの方々とこども柿の木委員会の手により柿の木は育てられていきます。アルビーニの方々は市長から柿の木を守り世話する任務を命じられ、式典中も柿の木を守って行進していました。アルピーニの老人のひとりは、「私は戦時中に原爆のニュースを新聞で読んだよ、とても心配したんだよ」とイタリア語で話してくれました。

blog画像
blog画像
blog画像

これまでの活動