会期:1997年10月25日~11月3日
主催:「時の蘇生」柿の木プロジェクト実行委員会+谷中柿の木ネット
実行委員会主催による初めての展覧会がギャラリーCASAにて行われました。96年度の活動報告として記録写真やポスター、植樹地から寄せられた作品を展示してプロジェクトの内容を紹介し、「参加者すべての行動がアートである」ということを体感できる展示を目指しました。また、会場には被爆柿の木2世の苗木を鉢植えで展示し、周囲には畳とちゃぶ台を置いて地域の方々が入りやすい空間を作り、里親募集をよびかけました。
地元での植樹を推進しようと椎原晶子さん、加藤弘子さんらは「谷中柿の木ネット」を立ち上げてこの展示に参加し、事前に花田ハイケ・和幸夫妻によるワークショップを2回行いました。10月4日は会場で就学前の小さなこども達を対象に参加型の演劇とペインティングのワークショップを開催。演劇では和幸さんが語る原爆のお話にあわせてハイケさんが被爆柿の木を演じ、こども達は柿の木を助けよう!と足を踏みならして大きな雨音を奏でて2世となる実を誕生させます。そして最後に、水彩を使って各自のイメージを絵に描きました。
10月19日には芋坂公園で小学生を対象に全身を使ったドローイングのワークショップを開催。こどもたちは柿の木についてお話を聞いた後、自分が木になったつもりで両手を大きくひろげて色々なポーズをとりました。そのまま大きな紙に横たわり、友達がその体の線をなぞって、墨で「人間の木」を描きました。こうしたこども達の作品は会場の一角に展示され、この展示をきっかけに98年、谷中コミュニティーセンターでの植樹が実現しました。