2013年の福島の植樹は、福島藝術計画 x Art Support Tohoku-Tokyo の「つたえるプロジェクト」の一環で、福島県内5か所で実施されました。福島藝術計画 x Art Support Tohoku-Tokyoは、東京都による芸術文化を活用した被災地支援事業で、福島県、東京都、東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団)の三者が共催し、地域の団体と協働してアートプログラムを実施するもので、文化芸術に触れる機会や地域コミュニティの交流の場をつくり、文化芸術による地域活力の創出と心のケアという視点から復旧・復興の支援を目指しています。
2012年の6月30日の福島藝術計画 x Art Support Tohoku-Tokyoのキックオフフォーラムを皮切りに、福島県庁、福島県立博物館、福島県立美術館の協力のもと、「被爆柿の木2世」の里親募集の活動がスタート。2012年12月25日には、本宮市の公民館で柿の木プロジェクトの説明トークイベントも開催しました。
そのトークイベントに参加してくださった富岡幼稚園の先生の思いから、会津若松市の白梅幼稚園、東行仁幼稚園、富岡幼稚園の植樹申込が届き、植樹へとつながっていきました。
白梅幼稚園の植樹式は、積雪が多く、園庭への地植えをあきらめて、年長クラス85名と一緒に、園舎内の大ホールで行われました。大ホールには、園児たちが事前に制作した絵がぶらさげてある高さ2メートルほどの木が真ん中に置かれ、その横に柿の木と大きなポットがあります。
橋本園長先生のお話の後、長崎から参加した海老沼先生、宮島達男の話と続きました。植樹の前には、「被爆柿の木2世」の苗木が、子どもたちのまわりをぐるっとまわされて、苗木を身近に見てもらいました。
今回のワークショップは宮島が担当しました。2月22日、植樹に先立ち、福島県立博物館の川延さん、小林さんの協力のもと、園児たちは、紙芝居「柿の木おやこ」を見て、絵を描きました。そして、自分の描いた絵を両手に持った全身写真を撮り、それを人型に切り抜き、棒をつけ、柿の木を守る「フェアリー(妖精)」を作りました。
植樹式では、柿の木を植樹した後に、みんなでこのフェアリーをまわりに置かれたプランターに立てて、柿の木を守るフェアリーにしていきました。また、子どもたちの描いた絵は会津塗の漆箱に10年間保管されることになっています。この植樹をお祝いしようと子どもたちからは、「世界にひとつだけの花」の歌のプレゼントがありました。また、「ぽん菓子」もボランティアの方によって子どもたちの前でつくられました。「ぽん菓子」はお米に圧力をかけてつくるお菓子です。子どもたちは爆発音までカウントダウンのかけ声をかけ、ポン菓子が飛び散る様に歓声があげていました。先生がつくったカラメルをからめて、みんなで美味しく食べました。最後にみんなで記念撮影をし、植樹式を終えました。その後柿の木は、3月28日に園庭に地植えされました。